中国の悠久の歴史は、そのまま文化の奥行きへとつながっています。お茶、陶磁器、絵画、仏教、占い、中国建築・・・・一見馴染みがあるような話題でも、意外と知られていないことは多いもの。現代中国における身近な生活習慣と絡めてご紹介します。
中国の中元節
(10.05.17)
中国人は記念日を好む。彼らは記念日に季節の流れを感じるだけではなく、様々な行事を執り行い、その情緒と意義を認識するのである。
中国には“三元”があり、1月15日の上元、7月15日の中元、10月15日の下元を指す。中元は全国的な節句で盂蘭盆(うらぼん)とも言い、清明節と下元も合わせて“三鬼節”と言うところもあるが、清明節との大きな違いは大勢の人が集い家族のように祝うところにある。
仏教徒は中元のこの日、盂蘭盆会(うらぼんえ)を開く。盂蘭とはコウモリが木から逆さにぶら下がったまま苦しみに耐えるような、人生の苦しみを意味している。その苦しみを解くために読経や布施が必要なのである。昔、中元は農歴7月15日ただ1日のみで、竹のむしろのお飾りをし、素食を用意し、田を祭っていたが、今はその風情も変わってきている。家の中には祖先を祭り、外には提灯をともし、祖先を懐かしむことで家族の祝福を願う。提灯はもともと諸葛孔明が発明したものだが、台湾や海南省文昌では中元の夜、提灯を水辺に流す習慣がある。色紙や西瓜、南瓜で作った提灯は列を成し、星のようにきらびやか。水面にその姿を映しながらゆっくりと漂うさまは珍しい風景だ。
今でも中元節は素朴な趣を残しているが、それだけでなく新しい友とめぐり合い古い友と楽しく集う機会でもあり、お互いの仲を深めたり、歌を歌ったり、寄付を募ったりする場にもなっている。
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