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 世界遺産:天壇  (10.08.18)






所在地北京市

 北京市内の南東部に位置する天壇は、明・清時代の皇帝が豊作を祈願して神を祀った場所です。明のはじめ永楽18年(1420年)に建てられたあと、乾隆年間に手を加えられ、現在のように壮観な姿になりました。
 古代の帝王は天地崇拝を「封禅」と呼んでいました。皇帝が天地を祀る行為は歴史において、非常に大切な政治活動の一つでした。「封禅」は当初、泰山で行われていました。しかし宋の真宗以降、泰山での祭祀は廃止されました。1420年、明の燕王・朱棣が北京に天壇を築いてからは、ここが泰山に代わる祭祀場となったのです。
 天壇には圜丘と祈谷が含まれます。内と外が壁で隔てられ、「回」の字のようになっています。平面的に見ると、天壇の内外壁は南側が角ばり、北側が円形になっていますが、これは古代の人々の宇宙観から来ていると共に「天」の存在を感じさせます。この「天」のイメージは皇帝の権力を「奉天承運(天から権力を賜わり、受け継ぐ)」として、国民の天に対する畏敬の念をそのまま皇帝に移行させるものでした。

 祈年殿は天壇で一番大きな建築物です。屋根が三重になっていますが、これは天を表しています。また、圜丘の祭天台に使われている石材の長さや数量はすべて、9または9の倍数です。
皇穹宇の「回音壁」「三音石」および圜丘の「天心石」はすべて、音の反響を利用したもので、特に皇穹宇の「対話石」は遠く離れた2人が普通の声で会話出来るのです。

 中国は「礼儀を重んじる国」と称されますが、天壇の祭事もまた典章制度によって厳格に定められていました。天を祀る最大の「祭天大典」は毎年冬至に当たる日に実施され、皇帝はその準備として天壇にある斎宮に3日間こもって身を清めました。また、前日には斎宮を出て天壇まで足を運び、入念な下見をして当日に備えたのです。
 祭天大典は通常、冬至当日の朝4時から始められました。大臣10名を従えた皇帝が祭天台に上り、斎宮から響く鐘の音に従って進行されました。
 1911年の清帝が退位してから、祭天制度は徐々に廃れてゆきました。その後、天壇自体も民国政府の内務部が管理するようになり、1913年正月には10日間の期限付きで初めて一般開放されました。
 1914年12月23日、袁世凱が天壇で公開の祭天を行い、その権力を示しました。翌年、国民参政会は袁世凱を皇帝に推戴し、1916年元旦をもって正式に即位しましたが、在位期間はわずか83日でした。天壇で祭天を行ったのは、袁世凱が最後という事になります。

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